Vol73.カナダでスキーパトロールをするには?
カナダでパトロールをしてみませんか?
今回の記事は秋山が担当します。
現在の私のメインの仕事は山岳スキーガイドですが、2005-06シーズンからバンフ近郊のサンシャインビレッジでスキーパトロールという仕事もやっておりますので、今回はカナダのスキーパトロールという仕事を紹介したいと思います。
そもそもスキーパトロールは何をする人たちでしょうか?
1. 怪我人の手当、山からの搬送
2. コース内の標識、境界ロープなどのメンテナンス
3. 雪崩コントロール(爆破、スキーカット)
4. コース自体が滑るのに適しているかのチェック
5. リフトやゴンドラが故障したときのレスキュー
6. 迷子の捜索
などなど、一言でいうと”山の安全”を担当する人達ですね。
では、このパトロールカナダでなるにはどんな資格が必要でしょうか?
1. 働くための就労ビザ(移民、ワーホリ、会社からのスポンサービザなど)
2. 80時間のファーストエイド
3. スキーの技術
4. 英語力
これだけです。ただ海外から来る場合1のビザの取得が一番難しいでしょうね。その次は2のファーストエイド、2週間みっちりと英語でファーストエイドの授業を受けて、最後の試験に受からないと資格が取れません。4の英語力も必要です。パトロール間のやり取りは無線ですので、無線越しでの英語、中々聞き取りづらいです、あと怪我してわめいている人を落ち着かせたりするのも必要ですしね。私は子供(4歳以下)の対応は未だ苦手です。彼らの英語はやはり赤ちゃん英語なのでなんか聞き取りにくいんですよね。
いろいろな関門を突破して見事パトロールになるとどんな1年、1日を過ごすのでしょうか?
サンシャインを例に取ってみましょう
パトロールの1年
前年の4月 ハイヤリングクニックと言われる実技テストを受け採用内定をもらう
10月末 スタッフトレーニング&コースセットアップ
11月中旬 スキー場オープン
5月末 スキー場クローズ
6月頭まで スキー場クリーンアップ
こんな感じで約7ヶ月スキーシーズンがあります。
さて1日は
パトロールの1日
7時半出勤
8時15分-30分 モーニングミーティング
9時-16時半 スキー場営業
17時 スイープ
18時帰宅
自宅からのドアtoドアで約11時間、家をあける計算になります。
パトロールの時給
これは日本から比べると格段にいいと思います。私のいるアルバータ州の最低時給が現在13ドルちょい、2018年秋までに15ドルまであがるので、最初の年でも15ドルほど。1年に1度大体昇給しますので、16-20ドルぐらいの間の時給に皆がいることになります。
一日の労働時間は9時間、9x16ドルx5日x4週= 2880ドル。税金も引かれますが約25万ぐらいは稼げることになります。
エントリーレベルでこの金額ですので、スーパーパイザーやマネージャーになっていけば、もっと貰えるわけなので、いっぱしの仕事として考えても良いでしょうね。
パトロールになって良いこと
たくさん滑れる
怪我人の処置がうまくなる
ダイナマイトを投げられる
資格をとらせてくれる(CAA Level.1や2)
他のスキーリゾートでも使えるシーズンパスがもらえる
家族分のシーズンパスがもらえる
スキー関連のグッズが安く買えるアカウントがもらえる
などでしょう。
ぶっちゃけ生涯の仕事としてスキーパトロールは辛い気がしますが、ガイドや看護師、救急救命士へのステップアップ、学生を卒業してサラリーマンになる間の楽しみ職業としてなど、カナダではパトロールという職業は人気があります。
パトロールの仕事 スタックしたモービルを掘り起こす
パトロールの仕事 リフトが壊れた時用のレスキューの練習
パトロールの仕事 ダミーを使用してのCPRの練習
パトロールの仕事 急斜面でのソリを降ろす練習
パトロールの仕事 Red&Whiteパーティーは毎年恒例のパトロールパーティー
パトロールの仕事 暇な日はビーコン捜索の練習
パトロールの仕事 ゴンドラが故障した時用のレスキュー練習
パトロールの仕事 雪を少しでもキャッチ出来きるようにフェンスも張ります
パトロールの仕事 シーズン頭は地道に踏み固めてベースを作ります
パトロールの仕事 ダイナマイトを使用せずスキーカットも多くします
サンシャインのシーズンエンドは毎年豚の丸焼きBBQ
パトロールの仕事 ダイナマイトでの雪崩コントロール
パトロールの仕事 パウダーを誰より先に滑れるのもメリット
パトロールの仕事 シーズン頭は竹を使いまくり境界線を張っていきます
毎日滑れるのが最大のメリット!
パトロールの仕事 怪我人をソリで搬送
パトロールの仕事 ダイナマイトセット
ヘリコプターにバックボードを積み込む練習