Vol47. カナダでオススメのスタイル ”ツアリングロッジ”っていくらかかる?
ツアリングロッジに行けばこんな雪も普通です
過去10年で一番良い雪のコンディションの11月を迎え、既にがっつり滑っている秋山が今回のブログを担当します。
私の冬シーズンは、11月スキーパトロール、12-4月 スキーガイディング、5月スキーパトロールと約7ヶ月滑ります。スキーガイディングの仕事はやはり雪がしっかりつかないと中々難しいのですが、2005年から始めたスキーパトロールの仕事がシーズンを長くしてくれているので助かっております。
カナダでのパトロール業務も今後触れていきたいトピックですが、今回のブログのテーマは、ずばり”ツアリングロッジ”。過去のブログで、キャットスキー、ベースキャンプ型スキートリップ、スキートラバースを紹介してきましたが、このツアリングロッジスタイルのバックカントリースキーはもかなりのオススメです。
ツアリングロッジとは?
ヘリコプターでしか入山できない、標高2000m付近にあるロッジに宿泊しながら、自分の足で登りながら周辺の山々を滑るスタイル
標高2000mの山奥にこのようなロッジがあります
ツアリングロッジ特徴
ツアリングロッジでのバックカントリースキーは、近年カナダで非常に人気が上がっていて、人気のあるロッジは予約困難。あるロッジは自分もお客さんのために予約しようと、2016年4月に2017年度分を問い合わせましたが既に満室! なんと2018年度もほぼ満室で予約取れませんでした。なので2018年3月末に別のロッジを予約しましたが、このような人が世の中にたくさんいるので、2018年分もどんどん埋まっている程です。
そんなロッジですが、何が良いのでしょうか?下記に特徴を並べていきます。
ツアリングロッジのメッカ、ブリティッシュ・コロンビア州には30位上のロッジが点在
ヘリでしか入山できないので、付近に一般スキーヤーがいなく山全体を貸し切ることができる
入下山にしかヘリを使用しないので、ヘリスキーやキャットスキーに比べて価格が安い
標高の高い場所にロッジがあるので、常に良い状態の雪を楽しむことができる
快適なロッジライフ
山を貸し切る。これはカナダでしかできません
ツアリングロッジツアー注意点
ヘリのフライトスケジュール ツアリングロッジへは通常1週間に一度しかヘリが飛びません。例えば日曜日にフライトが予定されているロッジの場合、日曜日に入山し、日曜日に次の入山者が入る時に下山することになります。つまりロッジに7泊! カナダに来るのに1日、帰るのに時差の関係で2日間かかってしまいますので、最低でも9泊11日の行程が必要になります。これは少し日本の休暇事情からすると厳しいですね。そんな時は、グループでヘリをチャーターして好きな日に入下山することも可能です。10名も集まればそんなにコスト増にはならないですね。
予約金 宿を抑えるに予約金が必要です。しかもそのお金はキャンセルしても帰ってこないので、行くと言ったらかならず行く覚悟が必要ですね。予約金は総額の20-50%が必要となります。
早めの予約 特徴でも書きましたが、人気のあるロッジは1年以上前から予約しないと取れません。しかも人気上昇により年々その傾向が強まっています。
天候不順でのヘリが飛ばないリスク 入山の時に飛ばない場合は1日ロッジステイが減るだけなので、しょうがないと言えますが、下山日の際には日本への帰国スケジュールによっては大問題になります。なので、1日下山後に余裕があるのが望ましいですね。
ツアリングロッジツアーサンプル行程
私も自分の仕事でロッジを予約して、ツアーを組んでいますが、よくある行程をサンプルとして紹介します。
Day1 成田空港からカルガリーへ、その後ゴールデンという町に移動(約4時間)
Day2 ロジャースパス周辺で足慣らしバックカントリー
Day3 ヘリにてロッジに入山
Day4-6 ロッジを起点としがっつりバックカントリースキー
Day7 ヘリをチャーターし下山、バンフに移動して宿泊
Day8 予備日
Day9&10 カルガリーから成田空港へ、日付変更線を超えるので次の日に成田着
これで約10日間の行程になりますので、日本の現役サラリーマンの方にも優しい行程ですね。
ツアリングロッジにかかる費用は?
さーこんな素晴らしいツアリングロッジですが、一体いくらかかるのかが気になるところですね。
ロッジは高級ロッジから簡易ロッジまで費用はロッジによって異なりますが、一般的にはロッジ部分だけで2200-2500ドルは費用になります。
日本から参戦の場合は、これに日本からの航空費(冬だと10-15万)、カルガリーからゴールデンまでの移動費、前泊、後泊費用、バンフから空港までの移動費がかかるので、全部で約50万弱ぐらいにはなってしまいますね。
50万円は安い金額ではないです。ただ、ロッジを借り切って、山を借り切って周辺を仲間だけで滑る。こんなスタイルができるのは実はカナダだけです!
オススメのツアリングロッジ
カナダにはたくさんのツアリングロッジがありますが、下記ロッジが中でもオススメですね。
Golden Alpine Holidays社のセンチュリーロッジ
5年ほど前に建て替えたので非常にきれいなロッジ。インターネットもはいり、電源も充電可能。水とお湯も蛇口から出るのが嬉しい豪華なロッジです。付近の滑る場所も森林限界上からツリーまで楽しい地形がたくさんのロッジ
センチュリーロッジではオーロラもでました!
見える斜面全部滑ります、はい
Golden Alpine Holidays社のビスタロッジ、サンライズロッジ、メドウロッジ
上記センチュリーロッジと同じ会社がもう3箇所経営しています。センチュリーと違って残りの3つは比較的簡素。でも2名1部屋の個室があり(最大12名)、快適さはあります。水は湖から組む必要があるので、節水が少し必要ですね。滑るエリアは問題なし!
ビスタロッジの夕焼け
Sorcerer(ソーサー)ロッジ
かなーり人気のあるロッジ。豪雪で有名なロジャースパスの更に北に位置しているので、長いシーズン楽しめます。ロッジ自体は2階建てでゆったりとした作りになっています。氷河が付近にたくさん残っているので、氷河スキーも楽しめます。
ソーサーロッジの中、ゆったりくつろげます
氷河が多いのがソーサーの特徴
Vulkyer Adventuresのヒルダロッジ
近年人気のあるレベルストークから南に1時間半行った場所からヘリ入山するロッジ。ロッジ自体はできて5年ほどしか建っていないので、綺麗です。インターネットも入るのが嬉しいですね。トイレも館内、シャワーもサウナもあります。滑る地形も急な斜面からゆるい斜面まで様々なレベルのスキーヤーに対応します。
ビスタロッジの夕焼け
ビスタロッジ内観
ミスタヤロッジ
上記のロッジが全部セルカーク山脈に位置するのに対し、こちらはロッキー山脈。
夏の間観光客で賑わう、アイスフィールド・パークウェイから見える山々の真裏にあるロッジです。ロッキーのほうが雪は少ないのですが、山々が大きく氷河も多く残っているので、圧巻の景色の中でスキーを楽しむことできます。
ロッジ自体も水力発電により電気が来ているので、電気製品も使用できインターネットもはいります。サウナも最高、トイレも館内にあります。
ミスタヤロッジ内観
山がでかいのがロッキーの特徴
これ以外にも、Sol Mountain Lodge、Purcell Mountain Lodge、Whitecap Alpine、Bernie Glacier Chaletなどなどなど、たくさーんあるので、ロッジを一つずつ廻るのも楽しいかもしれませんね。
私のイギリスのお客さんも10年間ぐらい来続けて多くのロッジを体験されています。
ということで、日本にはないスタイルのバックカントリー。
ツアリングロッジの紹介でした!